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2006年02月24日

明と暗

  [Sports]

荒川の金メダルに異議を唱えるものは誰もいないだろう。
貫禄さえ感じさせる、堂々たる演技だった。

荒川静香(プリンスホテル)が合計191.34点で優勝して金メダルを獲得した。日本勢では今大会初のメダルとなる。また、日本のフィギュアスケートでは1992年アルベールビル五輪2位の伊藤みどり以来のメダル。

 2位:サーシャ・コーエン   183.36p
 3位:イリーナ・スルツカヤ 181.44p
 4位:村主章枝        175.23p
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 15位:安藤美姫  140.20p

村主の得点が伸びなかったのは残念の一言。
芸術点評価が無くなり、採点方法が変わり、技の完成度とバリエーション、そしてそれらの組合せが得点を積み上げる格好になった。

彼女のミスと言えば、見せ場に入る3回転ジャンプの回転が足らず、2回転になってしまった(見えてしまった?)ことだけ。
コンビネーションを含めジャンプの見せ場は不足していたかも知れない。
得点の積み上げに繋がるビールマンスピンやドーナツスピンなどの柔軟性を生かした技を織り込めなかったのも痛い。

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フィギュア 悔しさにじませながら達成感も 4位の村主
泣きはらした目で報道陣の前に姿を見せると、「やれるだけのことはやったので満足しています」「自分の力を出して、この結果」と思いを振り切るように話した。常に観客への思いを口にする村主選手。「心を一つにして滑ろうと思っていた。情熱的な応援にグラッツェ(ありがとう)と言いたい」と感謝を口にした。

今回の採点の傾向は、完成度が高くてもそれぞれの項目のバリエーションが少なければ得点が伸びない、そんな印象を得た。
ジャンプでの着地失敗は問答無用の減点だが、コーエン、スルツカヤ共にミスの後も尚、直前に転倒があったことなど忘れてしまうほど見事な演技だった。

 繊細さより、大胆さ。

例えばスピンをするにしても、一つの流れの中にいくつものバリエーションを織り込み、そして、自分の得意な技、アピールできるモノはこれでもかこれでもかと、何度でも押しまくる。
ある意味"図太さ"で最後まで演技しきることが最終的な得点の差となったのではないか。

ガラスと形容されるコーエンが、2度のジャンプ着地失敗の後も何食わぬ顔で、しかもその失敗を忘れさせるような躍動感を持ったパフォーマンスを見せた。
スルツカヤも同様に、しかも「アラ、またやっちゃった」程度の顔でその後を続け、フィニッシュを決めてそのまま笑顔で観客に応える。
荒川にしてもこの大舞台、一つ成功するごとに、拍手と歓声が起こるごとに、その顔に浮かべた笑みを増し、スケーターとしては比較的大柄な166cmの体躯を更に大きく見せつけて、彼女のスケートをまさにパーフェクトに滑りきった。

村主章枝の、彼女独特の世界がメダルに届かなかったのは残念だ。
しかし彼女は、言う。

 優勝した荒川静香より年長の25歳。それでも村主は「わたしはスケートから離れることはできない。バンクーバー五輪に向け、一年一年考えたい」と話す。4年後へ向け、課題をじっくり精査することから次の五輪への挑戦が始まる

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2006年02月24日 20:39に投稿されたエントリーのページです。

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